平衡点
2012/03/11
_ TeXLive 2011 in Debian
TeXLive 2011(2011.20120307-1) が experimental に upload されました. unstable(Sid) をお使いの方は experimental にある新しい TeXLive を試して下さると幸いです.
以下 experimental にある texlive 関連のパッケージを使う場合のお話しです.
p(La)TeX を使うには?
これまで Debian では, TeXLive とは別に ptex-base, ptex-bin などのパッケージが提供されていました. (e)pTeX が TeXLive 本体に同梱されることになったので, これら ptex-* パッケージはその役目を終え, 今後は texlive-* パッケージによって p(La)TeX が提供されるようになります.
$ dlocate /usr/bin/ptex texlive-binaries: /usr/bin/ptex $ dlocate /usr/bin/platex texlive-lang-cjk: /usr/bin/platex
といった塩梅です.
これからはUTF-8処理できますので, 「DebianのTeXはUTF-8も使えないのかよ. 」みたいな人に対しても安心です. 主に私が.
EUC-JP とか使う場合には 「platex --kanji=euc」 みたいにすると良いでしょう.
○○はどうなったの?
気がついた範囲で.
jsclasses は?, JISフォントメトリックは? モリサワのメトリックは?
これまでは okumura-clsfiles, ptex-jisfonts, vfdata-morisawa5 というパッケージでしたが, texlive-lang-cjk に同梱されています.
jbibtex は?
texlive-binaries パッケージによって pbibtex が提供されます. これも 古い bib データに関しては pbibtex --kanji=euc とかすると良いかと.
フォントの埋め込みとかは?
TeXLive 本体で提供されている updmap-sys が使えますので, それ使って下さい. 気が向いたら, なんか書きます.
dvipsk-ja は?(追記)
TeXLive 本体に入っていますので, texlive-binaries の 提供している dvips と texlive-lang-cjk が提供しているフォント情報で十分です.
現状の課題は何?
experimental にあるのですから, まだ直す所があるわけですが,
- 主に man 関連の warning, binary-without-manpage とか
- autoreconf 関係で気になる所が幾つか
が lintian さんからご指摘頂いているところです.
他に(個人的に)気になっている点はフォントの重複です. TeXLive 本体では, 単独で TeX環境が提供できるようにフォントも同梱して提供しています. Debianパッケージにした際には, texlive 関連のパッケージもフォントを提供しており, 既存のフォント関連のパッケージとデータが重複しています. symbolic link にして Depends するなりしないといけない気がします... がなんせ量が膨大なので. Norbert さん曰く「long term aim」とのこと.
あとは設定ドキュメントかな?
気になる方は
- http://anonscm.debian.org/viewvc/debian-tex/texlive2012/
- svn://svn.debian.org/debian-tex/texlive2012
をご覧下さい.
_ TeXLive 2011 in Debian のフォント埋め込み
TeXLive 2011(2011.20120307-1) in experimental のお話. 折角手元にヒラギノフォントがあるんから, 埋め込みたいですよね.
大日本スクリーン製造
というわけでじたばた. otf関連のパッケージも入っている筈なので updmap-setup-kanji が使える...筈.
フォントを埋め込まない場合
$ updmap-setup-kanji nofont
で ok. platex, dvips, dvipdfmx それぞれでフォントが埋め込まれていない ps とか pdf が生成できる. ps から ps2pdfwr で PDF を生成する際のフォント埋め込みの制御は Ghostscript の範疇ですね.
フォントを埋め込む場合(IPAフォント, IPAexフォント)
experimental にある texlive-lang-cjk パッケージは IPA フォント, IPAex フォントも同梱しています. 試しに kpsewich とかしてみると...
$ kpsewhich ipaexg.ttf /usr/share/texlive/texmf-dist/fonts/truetype/public/ipaex/ipaexg.ttf
となります. というわけで
$ updmap-setup-kanji ipaex
とかすると良いでしょう
ヒラギノフォントを埋め込む場合
提供されている map ファイル内で
HiraMinPro-W3.otf HiraKakuPro-W3.otf
とかが指定されています. あとは kpsewhich でこれらが見つかるようにすれば良いのですが...
あれー? どこに置くの?
というわけで, /usr/share/texlive/texmf-dist/fonts/opentype/hiragino とかに適当に置いてみるテスト
その後
$ updmap-setup-kanji hiragino
で, 埋め込んだりできるようになった. あとは Ghostscript-8以降 - TeX Wikiを参考に 設定を追加したり.
ちなみに
updmap-setup-kanji, 望んだ様に動いているみたいなんだれど
$ updmap-setup-kanji status sh: 1: Syntax error: "(" unexpected WARNING: Currently selected map file cannot be found: otf-noEmbed (/etc/texmf/web2c/updmap.cfg).map Standby family : hiragino Standby family : ipa Standby family : ipaex
...はて?
あとDebian勉強会 のリポジトリ, --kanji=jis をつけるだけで PDF 生成はうまくいきますが pdfshiorilint.sh でのチェックに転びますね.