平衡点
2006/03/29
_ Lindzen 1988 PAGEOPH
プレゼン用の資料じゃなくて, 論文の PDF をプロジェクターに写すってアリ?
御託宣.
シアー不安定の線型論自体は, 数学的には解析できる(中立モードを探せば良いよね, って話). でもナニが起きているのかを解釈できてない. ここでは「波の過剰反射」でシアー不安定を統一的に「解釈」する(できる).
設定
系の設定にもよるけど, 線型論では
- 順圧不安定
- 傾圧不安定
- 成層のあるシアー不安定
となる. 結局, 不安定になるのは { }の中身が虚数になった時で,
- 順圧不安定: Rayleigh-Kuo theorem
- 傾圧不安定: Charney-Stren theorem
- 成層のあるシアー不安定: Miles-Howard theorem
と呼ばれている. 1/4 はなんだったっけ? 呪文の様に覚えてたんだけど.
過剰反射とは何か.
解釈してみると,
- 定常強制で不安定になるか(初期値問題でも良いけど)
- シアーに変曲点が無いとクリティカルレベル(U-c=0 の所)が無いから駄目.
- シアーにクリティカルレベルがあるとする.
- U ≠ c では
- 波は伝播するだけ.
- さらに Eliassen-Palm 2nd theorem より
- つまり, 本当に「ただ伝播するだけ」で, 平均流ともエネルギーのやりとりをしない.
- シアー不安定を考える場合には, 伝播している途中で解が波動解から指数解に変化する場所が必要. そこから波はその領域を一瞬で透過する(指数解だから群速度無限大). これが無いとクリティカルレベルまで行けない(これを大先生は Wave Geometry と呼んでいた. Wave の Geometry かよ).
- U = c (クリティカルレベル)で,
- Eliassen-Palm が崩れて, 波動が平均流とエネルギーのやりとりを始める. すると Kelvin-Orr mechanism (位相面が立つの)で, 擾乱は平均流からエネルギーを貰う.…でもこれ, 本当かな. 群速度が無限大だから等位相面は既に立っているから
- 結果としてクリティカルレベルから, 平均流からエネルギーを貰った波動が放射される.
反射というより, 層でなにが起きるのか不問(ブラックボックスだと思う)として, 波が入射するとクリティカルレベルから新たに波が放射される. 上下に放射するので, 「透過」と「反射」と.
これが繰り返されて, 不安定化する, という解釈.
_ 論文二つ分飛ばされたよ.
…あれ? どうやらいろんな設定での過剰反射の話だった模様.
_ Lindzen and Barker 1985 JFM
成層流体での内部重力波による過剰反射の再考察. 時間発展も考えている.
_ また飛んだよ.
速い. 勘弁してください. 大先生.